小高い山の上から地域を見渡せる、八王子の「白山神社」周辺

東京都の稲城市、多摩市、町田市、そして八王子市にまたがる多摩ニュータウンの開発は、1960年代後半から2000年代初頭にかけておこなわれました。

新しい住宅地が整備される中でも、この地域には、今も自然の原風景を感じられる場所が多く残されており、自然との共存を大事にしたいという人々の思いが感じられます。

そのような自然の中には、古い時代からある神社も残されており、この地の歴史を感じられるスポットとなっています。

3月の晴れた日、散歩をしているときにみつけた神社と、その周辺の景色をご紹介したいと思います。

長い階段をのぼる表参道

柚木街道と呼ばれる都道20号の道路から、「中山入口」の交差点を北に入った道沿いに、「白山(はくさん)神社」へと続く入り口を見つけました。

わかりやすく、大きな看板が立っています。

しばらく坂と階段をのぼると、立派な鳥居が見えてきました。

ここから先は、長い階段が続きます。

階段は少し急ですが、木々に囲まれ、春や夏は、きっと気持ちの良さそうな参道。

脇にも階段が伸びている場所が数か所あり、それぞれに小さな祠がありました。

表参道は階段が続く道ですが、神社の裏手側にも出入り口があるので、急な坂や階段が不安という方は、そちらからお参りすることをおすすめします。

長沼駅や北野駅、バス停からのアクセスも、裏側の方が近いです。

凛とした空気に包まれた境内

階段をのぼりきると、広く開けた境内に入りました。

左手には、手水舎があります。

小さな神社だと手水舎が小さかったり、水が流れていなかったりする場所も多いですが、こちらは、掃除も行き届いていて、とても立派なものでした。

しっかりと手を清めて、お参りができますね。

本殿は、凛とした静かな空気に包まれています。

平日の昼過ぎ、私が訪れている間にも、何名か参拝客の方がいらっしゃり、地元で慕われている神社なのだなと感じました。

この神社には、常駐する方がいないということで、おみくじや御朱印は、賽銭箱に初穂料を納めることで、いただけるシステムになっています。

平安時代から続く、由緒ある神社

白山神社に祀られているのは、イザナミノミコト神。

神社の正確な創立年代は明らかではないそうですが、平安時代には存在したという伝承があったようです。
江戸時代から昭和にかけては、考古学的に評価されるような文書も発見されたということ。

昭和50年には、社殿や参道、鳥居の大改修が行われ、現在に続いています。

平安時代から残されているという石も展示されていました。
この地で最古の寺と言われる、長隆寺の礎石と伝えられているそうです。

戦の時代を乗り越え、地域の人々の伝承や尽力によって残されてきた白山神社。
この地の古い歴史が、垣間見えるようでした。

周辺では、広場や北野台からの眺めが楽しめる

神社の裏手に出てみると、大きな広場がありました。
その真ん中にも、小さなお社があります。

広場では、犬の散歩や、人々がおしゃべりを楽しむ姿が見られました。
近所の住民の方の憩いの場所となっているようです。

白山神社の裏手の西側は、北野台と呼ばれる住宅街になっています。

長い階段をのぼってきただけあって、見晴らしの良さに、驚きます!

眺めを楽しめるようにでしょうか、遊歩道が整備され、ところどころにベンチもあります。
広場も含めて、暖かくなるこれからの季節には、人々でにぎわいそうな雰囲気でした。

小高い山の上から、周囲を見守るように残された、白山神社。
落ち着いた静かなこの場所は、この地の歴史を感じられるスポットであるとともに、周辺の広場や、そこから眺める景色は、とても気持ちの良いものでした。

訪れた際には、梅や桃がちらほらと咲いていましたが、周辺では桜も楽しめるそうで、これからの季節は特ににぎわいを見せそうですね!

ぜひお散歩に出かけてみてはいかがでしょうか。

白山神社
住所:東京都八王子市中山817
アクセス:京王線「長沼駅」から徒歩約32分
京王線「北野駅」から徒歩約31分
京王バス「白山神社」から徒歩約3分
駐車場:無

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。