今回は、4月4日と5日にひよどり山キャンプ場でおこなわれた「第4回 北条流鏑馬(やぶさめ) 八王子城・滝山城・津久井城馬上弓比べ」をご紹介します。
馬上弓くらべと聞いて、どんな光景を思い浮かべるでしょうか。
馬に乗ったまま弓を引き、的を射る。その時点でもう十分かっこいいのですが、実際に会場で見てみると、想像していた以上の迫力でした。馬が駆け抜ける音、射手の鋭いまなざし、矢を放つ一瞬の張りつめた空気。本当に一瞬たりとも目が離せませんでした。
私が訪れた5日は弓くらべ大会だけでなく、馬上演舞もおこなわれており、見応えたっぷりで、迫力だけではなく、美しさや技術までしっかり味わえる一日でした。
スポーツとしての流鏑馬
弓くらべとは、いわゆる儀式などでおこなわれる流鏑馬とは違い、きちんとルールを定めた上でおこなわれる競技です。
ここで使われているのは和種馬です。競走馬として知られるサラブレッドと比べると、小柄で大型犬のようなかわいさも感じられますが、走っている姿は見かけによらずとても速さと力強さを感じました。
120mの直線を和種の馬にまたがって駆け抜けながら、二つの的を狙って射る。そのタイムと的中点数を競う姿は、想像以上にスピード感があり、見ているだけで手に汗がにじみます。

馬の動きに合わせてぶれずに弓を構える姿からは、日頃の鍛錬の積み重ねが感じられました。ほんの数秒の勝負の中に、技術も度胸も詰まっているのだと実感します。
実を言うと、最初はスマートフォンで撮っていたんです。
しかし午前の弓くらべを観戦し、走り抜ける馬のスピードや、射手の真剣な表情を見ているうちに、「これはスマホじゃ絶対にもったいない」と思い、一度家にミラーレスカメラを取りに帰ることに。
そのため本格的な観戦は午後からになってしまいましたが、それくらい、目の前で見た馬上弓くらべには、強い迫力がありました。
馬上演舞で感じた、美しさと馬との信頼関係
急いでカメラを持って会場へ戻ると、午後の部は「馬上演舞」から始まりました。こちらは競技のスピード感とはまた違う魅力があり、気づけばじっと見入ってしまいました。

演舞を披露されていたのは滋賀県から来られた方で、その技術の高さには驚かされるばかりでした。
また、馬上演舞での解説で興味を持ったのは、西洋と東洋の乗り方の違いです。
ヨーロッパでは鞍に座って乗るのに対し、日本では鐙(あぶみ)を踏んで立ってのるのが特徴なのだとか。この立ち乗りこそが揺れを抑え、流れるような所作や、鈴を鳴らしたい時だけ鳴らすといった技術につながっているのだそうです。
鈴の音のコントロールまで可能にしているとは驚きました。
この他にも数組の方が馬上演舞を披露され、傘や扇を使った演舞や物語のような演舞など、幅広く楽しめました。

特に印象的だったのは、傘を使った馬上演舞です。
馬のしなやかさと、傘を取り入れた動きの美しさが際立っていて、「馬ってこんなに優雅なんだ」と感動してしまうほど。
また、馬はとても臆病な動物のため、大きく覆いかぶさる傘に驚いてしまう子も多いとのことでしたが、この子は堂々と演技をしていて、のり手の方との信頼関係が築けているのだろうなと感じました。
目の前で見るからこそ伝わる緊張感
馬上演舞が終わると、次はいよいよ馬上弓くらべ午後の部です。

ドドドッと響く力強い馬の足音は想像していた以上に迫力があり、地面の振動まで伝わってくるようです。そこに、的中した瞬間のパァンッ!という心地よい音が重なると、客席からも歓声が上がり、会場中が一体になるような高揚感に包まれます。

馬が駆けるほんの数秒のあいだに、狙いを定めて矢を放つ。その一瞬にかける集中がすごくて、見ているこちらまで息を止めてしまいそうになります。
観客席にも自然とぴんとした緊張感が広がり、矢が放たれるたびに思わず前のめりになってしまいました。
そして、馬上弓くらべを見ていて印象的だったのは、技や迫力だけではありません。
射手のみなさんの表情です。

矢が決まったときのうれしそうな表情。
思うような結果にならなかったときの悔しそうな表情。
そのひとつひとつから、本気の勝負の場であることが伝わってきました。
うまくいったときの晴れやかな空気もあれば、わずかな差が結果を分ける厳しさもある。
そうした緊張感まで含めて、目の前で見る馬上弓くらべならではの魅力なのだと感じました。
迫力と美しさが心に残る、春の馬上弓くらべ
実際に見てみると、想像していた以上に見応えがありました。
馬の迫力も、演舞の美しさも、本番ならではの緊張感もあって、気づけばずっと目で追ってしまうような時間でした。
気になった方は、次回開催の際にぜひ会場で見てみてください。

第4回 北条流鏑馬 八王子城・滝山城・津久井城馬上弓比べ
住所:東京都八王子市大谷町ひよどり山キャンプ場
アクセス:JR八高線「北八王子駅」から徒歩約23分
JR中央線、八高線、横浜線「八王子駅」京王線「京王八王子駅」より西東京バス 宇津木台(バイパス経由)行き「バイパス大谷」バス停から徒歩約5分
TEL:042-648-5839(八王子馬上弓武道推進委員会事務局)
開催期間:2026年4月4日(土)・5日(日)
開催時間:4日10:30-16:00
5日10:00-16:00




















