2年前コロナ渦で中止となった「上村松園・松篁・淳之 三代展」が3/13まで開催中!

JR、京王八王子駅からバスで20分ほど、創価大学のすぐ近くにある「東京富士美術館」。

1983年に開館した総合美術館。
西洋絵画コレクションを中心にした常設展示の他。
期間ごとに催される展覧会では、古今東西の芸術作品が展示されています。

町中の広告でもおなじみの「東京富士美術館」

八王子に住まれている方でしたら、「東京富士美術館は広告で見たことがある!」という方も多いのではないでしょうか。
私もよく広告を目にし、「いつか行ってみたいな」と思っていました。

先月、私は「東京富士美術館」に初めて来館したのですが、展示品のバラエティとコンテンツのおもしろさに感動!
当ブログでも取り上げさせていただけないかと美術館様にお問い合わせしたところ、快く引き受けてくださいました。

そこでこの記事では、現在開催中の「上村松園・松篁・淳之 三代展」を中心にご紹介させていただきます。

2年前コロナ渦で中止となった「上村松園・松篁・淳之 三代展」が再開催!

現在(2022年2月11日〜3月13日)「東京富士美術館」では「上村松園・松篁・淳之 三代展」が開催されています。

この展覧会はもともと2020年に開催予定でした。
しかし緊急事態宣言の発令と開催期間が重なったことにより、2日間の開催で展覧会は打ち切りになってしまいました。
今回その中止を惜しむ声に応える形として、2年越しに「上村松園・松篁・淳之 三代展」が再開催されました。

“近代随一の女流画家”と称された上村松園

上村松園は女流画家として明治、大正、昭和と激動の時代を生き抜きました。
松園が生涯描き続けたのは“理想の女性像”。
彼女の残した言葉に「一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香高い珠玉のような絵こそ私の念願とするところのものである」、があります。

その言葉の意味するところは展覧会に入るとすぐに、感じ取れるような気がしました。

彼女が描いた女性たちは、清らかでまっすぐな光で会場を明るく照らしているように感じました。 

『皷の音』上村松園 松伯美術館

今にも、女性が皷を鳴らそうという一瞬の瞬間が描かれています。
えんじ色の着物に青の帯、金色の皷。
美しい配色に目を奪われます。

『花がたみ』上村松園 松伯美術館

軽やかに衣を着こなす姿や、しなやかな手先など細部にいたるまで。
どこか超越的な美しさを感じます。

先に進んだエリアには、「花がたみ」の下絵と素描がありました。

『花がたみ(下絵)』上村松園 松伯美術館

顔など一部が茶色くなっているのがお分かりになるでしょうか。
その部分が後から別紙に貼り替えられて、描き直されていることを意味します。

『富勇1』上村松園 松伯美術館

実際のモデルさんのポージングや仕草が模写されています。
「花がたみ」の優美な世界観は丹念な写生がベースとなっていたんですね。

以上の下絵、素描からは「花がたみ」完成までの工程を垣間見ることができました。

松園の子と孫、松篁・淳之の作品も出展


松園の息子の松篁、孫の淳之も芸術の道を歩みました。

松篁の作品の中で、ひときわ異彩を放っていたのは

『万葉の春』上村松篁 近鉄グループホールディングス株式会社

幅7m超え、展覧品の中でも最も大きな作品でした。
「万葉の春」は近鉄からの依頼で作成された作品で、松篁の「いつか万葉集の世界をつくりたい」との想いが実を結びました。

淳之は幼い頃より鳥を愛好し、鳥の絵をたくさん描いています。

『四季花鳥図』上村淳之 近鉄グループホールディングス株式会社

春夏秋冬の植物と鳥が、かわいらしく緻密に描かれています。

山本作兵衛展も同時開催中!

現在「上村松園・松篁・淳之 三代展」とともに「山本作兵衛展」が同時開催されています。

山本作兵衛はもともと筑豊の炭坑労働者でした。
その経験から「子や孫に炭坑の生活や人情を残したい」と、明治末期から戦後の炭坑の様子を描き始めました。
その作兵衛の作品は2011年に日本で初めてユネスコの“世界の記憶”に登録されたことで話題を集めます。

作兵衛の絵からは当時の過酷な炭坑の環境や労働者の暮らしを、温もりあるタッチから生き生きと感じることができます。

前回来館した際にも感じたことですが、「東京富士美術館」展覧会の、展示品のバラエティとコンテンツの見やすさには圧倒されました。
これに常設展もあるからほんとうに驚きです。

百聞は一見にしかず。
今回展示品のほんの一部をご紹介しましたが、実物からしか感じられない迫力や空気感、細かな気付きがあります。
ぜひ多くの方に「東京富士美術館」まで足を運んで、生の感動を味わっていただきたいです。

東京富士美術館
住所:東京都八王子市谷野町492-1
交通:西東京バス「創価大正門東京富士美術館」下車徒歩1分ほど
TEL:042-691-4511
定休日:月曜日、(月曜日が祝日の場合火曜日)
開館時間︰10:00~17:00(16:30受付終了)

※新型コロナウイルス感染拡大により、開館時間・定休日が記載と異なる場合がございます。ご来館時は事前に美術館にご確認ください。