京王八王子駅から徒歩1分 1250年前から神様の宿る場所、子安神社

みなさんは、どんな時に神社に行きますか?
初詣や祈祷、節目のお参り、お願いごとがある時など、目的がある事がほとんどだと思います。

しかし先日、通りがかりに八王子のとある神社にふらっと立ち寄ってみた所、特に目的がないにも関わらず、思いの外楽しめて、リフレッシュも出来てしまったのです。

今回は、八王子最古の神社、京王八王子駅から徒歩1分の「子安神社」を紹介したいと思います。

ふらっと気軽に立ち寄り参拝


よく晴れた日の午後。
用事の帰りに、偶然、長男のお宮参りでお世話になった神社の前を通りかかりました。
こちらの大きな白い鳥居。安産と育児の神様で有名な「子安神社」の入り口です。

(時間があるから、ちょっとお参りをして帰ろうかな。)
鳥居をくぐるとすぐに、大きなご神木に対面。

どっしりとした佇まいです。

お参りをする拝殿は、ご神木のさらに奥。

手水舎が感染症対策のため使用できなかったので、そのまま拝殿の階段を上ります。
賽銭箱に5円玉を投げ、二礼二拍手一礼。
パン、パンッ!
この所作をすると、毎回清々しい気持ちになります。

お参りの後、せっかく立ち寄ったので、ぐるりと散策をして帰ることにしました。

異世界に迷い込む!?八百万の神様と、きつね祭のお面


拝殿の階段を降りて右手にあるのが、「神水殿(しんすいでん)」です。

安産と育児の神様、木花開耶姫命(このはなのさくやひめ)の像がそっと座り、手前の岩のくぼみは、湧き水で満たされています。
底のない柄杓(ひしゃく)で水をすくい、安産祈願をする場所です。

神水殿の右に目をやると、何やらおもしろい光景が。

鳥居の奥、頭上に賑やかな色彩の狐のお面がずらり。

「金刀比羅(ことひら)神社」への入り口です。
2枚合わせた狐のお面には鈴が入っているようで、チリンチリンと可愛い音を立てています。
翌月に行われる「きつね祭り」の飾りです。

子安神社のきつね祭りの期間中は、境内で狐面の塗り絵が出来る他、京王八王子駅周辺の飲食店で、ユニークなおいなりさんや油揚げを使った料理が登場するそうです。
神社と街が一体になった、楽しそうな行事です。

先に進むと、木の壁にも、きつね、きつね、きつね。

一瞬、異世界に迷い込んだような、でもどこか懐かしい気持ちになる、不思議な感覚に陥りました。

階段をひとつ、ふたつ…と上ると、パッと視界が開け、日差しに照らされた、離れのような場所に出ました。

右手には小さな社が五つ。五社稲荷です。
咳止めの神様、歯の守り神様、生業・商売の神様、眼病の神様、足腰の神様が並びます。
とても身近で、生涯に渡ってお世話になりそうな神様たちですね。

五つの社の向かいにあるのが「葦船社(あしふねしゃ)」。
水子の霊を慰めてほしい、という要望から鎮座された、鎮魂の社です。
句稗があります。
「母の念(おもひ)は叶わねど…」の言葉に、一児の母である私は、ギュッと胸が締め付けられました。

突き当たりには、金刀比羅神社の大きな社。
見上げると、大黒様が楽しそうに笑っていました。能天気な笑顔に(笑)、ほっとします。

階段を降りると…澄んだ湧水と、悠々と泳ぐ鯉


来た道を戻り、狐の天井の下を抜けて元の場所へ。
耳をすませると、かすかにザーッという水音が聞こえます。
「神池」につながる鳥居が見えました。

鳥居の手前には、鯉の餌。ピンク、緑、黄色の容器でお菓子のような見た目が楽しいです。

神池には、階段を下りて行きます。
足元で、水がちょろちょろと流れる音。階段の脇を水が流れているのです。
その先には、朱色の社の「厳島神社」。手芸や芸能の神様が祭られています。

湧水をたたえた池には、鮮やかな色の大きな鯉が、悠々と泳いでいました。

振り返ると、ザーッと音を立てる滝つぼ。

空気のきれいな山に来たよう気分になります。思わず深呼吸しました。

子安神社には、この他に神社を創建したとされる、橘右京少輔命(たちばなうきょうしょうゆうのみこと)を称えるための「橘社(たちばなしゃ)」、
子安神社のために尽力した人々や、戦争で命を落とした人々を祀る、「祖霊社(それいしゃ)」があります。

集めたくなる!鯛?繭?桜?ユニークなおみくじとお守り


さて、神社といえばおみくじ。
子安神社には、色々な種類のおみくじがありました。
まずは、「福を釣り鯛みくじ」。真っ赤な鯛がこちらを見ています。

ころんと可愛らしい「まゆみくじ」。

他にも、ピンク色が綺麗な「しだれ桜みくじ」、ミニサイズのだるまを引く「だるまみくじ」、一般的なおみくじもありました。

お守りの種類もたくさん。

他に人がいなかったので、立ち止まってじっくり見てしまいました。
色々な神様がいる神社なので、「咳止めしゃもじ」のような珍しいお守りもありますね。
子安神社は、絵馬や御朱印も複数種類があるそうです。

実は子安神社は、1250年の歴史がある、八王子最古の神社です。
境内を歩くだけで心が落ち着くのは、昔からこの土地を見守ってきた神社だからでしょうか。
特に目的がなくても、ぜひ、ふらっと子安神社を散策してみてください。
きっと、楽しめると思いますよ。

子安神社
住所:東京都八王子市明神町4-10-3
アクセス:京王線 京王八王子駅 徒歩1分 、JR線中央線・川越線・八高線・横浜線・相模線 八王子駅 徒歩5分
TEL:042-642-2551
参拝時間:4月~9月 6:00~18:00、10月~3月 6:00~17:00
祈祷受付時間:9:00~15:30(土日祝日の戌の日は、8:30より受付開始)

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。