国指定史跡である滝山城は、16世紀に築城された平山城です。この場所は当時八王子一体を統治してい北条氏照が八王子城に本拠を移すまでの間、八王子の政庁として機能していたと言われています。
今ではすっかり観光地として整備されていて、八王子の歴史と豊かな自然を存分に楽しめる公園となっています。そんな滝山城跡の見どころをご紹介してまいります。
油断すると迷子に!迷路のような山道が無数に続く
滝山城へは京王八王子駅・JR八王子駅北口から戸吹行き・秋川駅行き・戸吹スポーツ公園入口行きのバスに25分程乗り「滝山城址下」で降車します。
また車やバイクで行かれる際は、入口付近にある無料駐車場を利用することができます。
この城は加住丘陵(かすみきゅうりょう)に沿って築かれており、自然が造り出した地形を防衛力として利用した平山城でした。
加住丘陵は大昔、多摩川により浸食されて誕生し、谷戸や断崖が複雑に入り組んだ構造をしています。
今でもなお至るところに、まるで昨日土砂崩れでも起きたのではと心配になるような急な崖や、足を踏み外したら間違いなく大けがになるであろう深い谷があります。
素人目にも、「この城を攻め落とすのはしんどかっただろうなあ。」と、かつての敵達に同情を寄せずにはいられません。
また滝山城には無数の山道があるのですが、そのどれもうねりが激しい上にそれぞれの道が迷路のように複雑に交差しています。
そのため奥に進むにつれて方向感覚が段々麻痺して堂々巡りが始まります。
私は学生時代ここで100人規模の泥警をしたことがあるのですが、永遠に泥棒が捕まらず軽い集団パニックになった経験があります。
誰かと行かれる際はくれぐれも迷子にならないようにお気を付けを。
そして、もう一つの見どころが本丸にある井戸です。
形の揃えられた石が一段一段美しく円錐状に積み上げられています。
先人の手を感じさせる整然とした造りですね。
辺りのどかな雰囲気とは対照的に、この井戸だけがシーンとした冷気を周囲に放っており、なかなかのインパクトです。
360度桜に囲まれる穴場スポットあります!
滝山はお花見スポットとしても地元の人たちに愛されています。
例年は桜まつりが開催されるのですが、今年はコロナのため中止となりました。
この写真撮影当時は4月頭。
既に満開は過ぎていましたが、新緑に変わりつつある桜の景色にもまた風情がありました。
中でもお花見にお勧めの場所が、中腹にある桜の密集する一帯。
ここは谷底から、湧き上がるように桜が伸びています。
谷という日光が届きにくい地形のためでしょうか。
木々は一本一本ヒョロヒョロと背高のっぽで、ゆうに10メートルを超えています。
桜の生命力は本当に強いですね。
谷の中心まで降りて天を見上げると、360度桜に包囲されます。
これは都会のお花見では味わえない大迫力の景色です。
現在はコロナのため難しいですが、天気の良い日には芝生にレジャーシートを敷いてピクニックを楽しむのも良いですね。
ザトウクジラの泳いだ海原を見晴らす展望台
展望台からは、拝島の街並みを見晴らすことができます。
八王子と拝島を挟んで流れるのは多摩川。
この流域からは昭和30年代にザトウクジラの化石が見つかっており、およそ200万年前には海だったと言われています。
城主たちはこの場所からどんな景色を見ていたのでしょうか。
そして太古の昔、この拝島の街並みはクジラの泳ぐ海だったのかと思うと、自然のダイナミズムを強く感じることができますよ。
その他、都立滝山公園 滝山城跡は広場がたくさんあり、バドミントンやフリスビーなどの軽いスポーツを楽しんでいる方もいらっしゃいました。
また道も整備されているので小さなお子さんやペットをお連れの方にもお勧めできます。
都立滝山公園 滝山城跡
住所 〒192-0002
東京都八王子市高月町
交通 京王線京王八王子駅・JR八王子駅北口から戸吹行き・秋川駅行き・戸吹スポーツ公園入口行きのバスで「滝山城址下」で降車